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エリオット波動・NEo Wave - 複数のシナリオを並行して見る方法
エリオット波動を正解当てに使うのではなく、複数のシナリオを置き、外れたものから消していく。
> エリオット波動は、間違ったシナリオを素早く消すための道具です。正しいカウントを当てるゲームとして使う必要はありません。
エリオット波動は、一般に5波の上昇と3波の調整で説明されます。ただし実際のチャートでは、どの区間を第1波と見るのか、今が第3波なのかC波なのか、調整は終わったのかをめぐって、解釈が分かれ続けます。
そのため、エリオットを単一の正解として使うのは危険です。より実戦的なのは、複数のシナリオを同時に置き、価格と時間の条件から外れたものを一つずつ消していく方法です。
波動番号を付ける前に、まずそのシナリオが有効であるために何が必要かを決めておきます。どの価格を守る必要があり、どの時間内に動く必要があるのかを先に確認してください。

インパルスでは第3波が最も重要です
上昇インパルスでは、第3波が通常最も強い区間です。価格の伸び、出来高、モメンタムが第3波で確認できないなら、トレンド継続の可能性は下がり、単なる3波構成の調整である可能性が高まります。
5波に見えるからといって、すべてがインパルスとは限りません。第1波と第3波が弱く、重なりが多い場合は、調整構造を誤って数えている可能性があります。エリオットでは外形だけで決めつけず、それぞれの波動が満たすべき条件を見て判断する必要があります。
インパルス・シナリオを立てたなら、次の3点を同時に確認してください。第2波が第1波の始点を割っていないか、第4波が第1波の価格帯へ過度に入り込んでいないか、そして第3波が十分に伸びているかです。

調整波はジグザグ・フラット・トライアングルに分かれます
調整の判別はたいてい難しいものです。ジグザグは速く深く動き、フラットはB波が深く戻し、トライアングルはボラティリティが縮小します。この3つの構造を区別できないと、調整の終わりを早く決めつけすぎてしまいます。
ジグザグならC波がA波と同程度、またはそれ以上に強く進むことがあります。フラットならB波がA波をほぼ全戻ししたり、始点を超えたりすることがあります。トライアングルなら、e波が終わるまで方向がなかなか確定しません。
この違いを理解していれば、同じ調整でも対応は変わります。ジグザグのC波の途中では逆張りを急がず、トライアングルではブレイクの確認を待ってください。

NEo Waveの観点では、小さな波動一つひとつをmonowave、そのまとまりをpolywaveと呼びます。簡単に言えば、一方向に連続した単一の動きがmonowaveで、それらが集まってできた大きな構造がpolywaveです。degreeは、その構造がどの時間軸の規模に属するかを示します。5分足の小さな5波と日足の大きな5波を同じ重みで扱わないための区分です。
調整波は、種類ごとに待つべき条件が異なります。
- ジグザグ候補: C波がA波の0.8倍にも届かず、時間だけが過ぎるなら、調整終了の判断は保留してください。
- フラット候補: B波がA波の始点付近まで深く戻しても、すぐにシナリオを破棄しないでください。
- トライアングル候補: e波が終わったあと、境界線のブレイクと終値維持が確認されるまで、方向を決め打ちしたエントリーは見送ってください。
NEo Waveが一般的なエリオットと異なる点 - 事後確認とバランス
一般的なエリオットが進行中に波動番号を付けることを重視するのに対し、Glenn Neelyが体系化したNEo Waveは、パターン終了後の動きによって、そのパターンが有効だったかを逆から確認する点でより厳格です。この事後確認、つまりPost-Constructive Ruleが、NEo Waveと一般的なエリオットを分ける第一のポイントです。
ルールは単純です。ある区間を一つの完成した波動と見るなら、その直後の戻しで、その波動を意味のある水準まで、一般には38.2%以上、かつその波動にかかった時間より短い時間で戻す必要があります。そうして初めて、その波動が実際に終わったと認めます。戻しが浅すぎる、または遅すぎる場合、その区間はまだ終わっていないか、そもそも一つの波動ではなかったと見ます。終わったあとの戻しの速さと深さで確認するわけです。進行中に5波完成と決めつける必要はありません。
第二は、類似性とバランスのルールです。隣り合う2つの波動は、価格または時間の少なくとも一方で互いに似ている必要があります。さらに、その両方で片方がもう片方の3倍を超える、または3分の1に満たない場合は、そのカウントを疑います。第1波と比べて第3波が価格でも時間でも極端に小さい、または大きいなら、同じdegreeの波動としてまとめたこと自体が誤りかもしれません。このバランス確認が、見た目だけで番号を付けるミスをふるい落とします。
第三は、起点となる単位を客観的に区切ることです。NEo Waveでは、monowaveを一定のルールで区切ります。目分量では切りません。一方向に続いていた動きが、直前の進行に対して一定比率以上戻した瞬間を一つのmonowaveの終わりと見なし、次の単位を始めます。起点となる単位を同じ基準で区切れば、同じチャートを見ても人によって第1波の取り方が異なる問題を減らせます。
この3つのルールはいずれも、進行中の断定を避け、終わったあとの確認を求めます。したがってNEo Waveの観点では、そのシナリオが事後確認・バランス・時間条件を満たしているかをチェックリストで確認するほうが実戦に近いと言えます。「今は第3波」という決めつけは避けます。
時間も価格と同じくらい重要です
NEo Waveの観点では、価格だけでなく時間も決定的に重要です。あるシナリオは、価格条件をまだ守っていても、想定より長く時間がかかりすぎると力を失います。速く進むべき第3波が長く横ばいになるほど、インパルス・シナリオは弱くなります。
損切り価格と時間条件がぶつかる場面が最も難しいところです。価格はまだ第2波の安値を守っていても、第3波が所定の時間内に伸びなければ、シナリオの力はすでに弱まっています。この場合は、ポジションを減らすか、次のブレイク確認まで追加エントリーを止めるほうが安全です。損切りラインをそのままにして耐えるのは危険です。
> 上昇インパルス・シナリオで、第1波と第2波が確認されたと判断します。
> 第3波候補は、第1波の高値を終値ベースで上抜けし、第1波の値幅の1.0倍以上を、第2波にかかった時間の1.5倍以内に進む必要があります。
> エントリーは、第1波高値を上抜けたあとの最初の浅いリテストで確認してください。
> 損切りは第2波安値の下に設定してください。
> 価格が第2波安値を割り込むか、第3波が時間条件内に伸びなければ、インパルス・シナリオを破棄してください。


エリオットの落とし穴は、すべての動きに番号を付けることです
波動番号を付けられることと、その番号でトレードできることは別です。小さな揺れまで全部数えれば、チャートはいつでも何らかの波動に見えます。しかしそのとき、分析は細かくなる一方で、行動は鈍くなります。
実戦では、大きな構造と現在の損切り基準だけを残すほうが有効です。今見ているシナリオが正しいなら、次に何が確認されるべきか。それが確認されなければ、どこで破棄するのか。この2つの問いに答えられないなら、カウントはいったん保留してください。
間違ったシナリオを消す速さが実力です
エリオットとNEo Waveでは、シナリオを素早く消す作業が中心です。損切り価格の割り込み、時間の遅れ、条件未達が確認されたら、ためらわずに消してください。
正解のカウントは、後になれば見えてきます。一方、トレード中に存在するのは、まだ可能性のあるシナリオと、すでに間違ったシナリオだけです。結局、間違ったものを消す速さこそが、エリオット分析における実際の実力です。
