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エリオット波動 基礎編3 - 調整波とABC構造を理解する

調整波を単なる押し目と見なさず、A波の失敗、B波の戻り、C波の進行、そしてジグザグ・フラット・トライアングルの違いから読み解きます。

> 調整波は、トレンド内で直前の値動きを一服させたり、戻したりする局面であり、通常はA・B・Cの構造として読みます。まだトレンドが終わったと断定できる段階ではありません。

エリオット波動で初心者が最もつかまりやすいのが調整波です。上昇後に少し下げるとすぐに押し目買いを探し、下落後に少し反発すると底打ちしたと判断しがちです。しかし実際には、A波が始まったばかりだったり、B波の反発局面だったり、まだC波が残っていたりするケースのほうが多くあります。

調整波は基本的に、直前のトレンドを休ませる動きです。上昇5波が終わった後には、下方向のA波、上方向へ戻すB波、再び下方向へ進むC波が続くことがあります。下落5波が終わった後は、その方向が反対になります。つまりA波とC波は調整方向へ進み、B波はその間の中間的な戻りとして機能します。

そのため、調整波を単に「押し目」と呼ぶだけでは不十分です。ジグザグは速く深く動く一方、フラットではB波が深く戻し、トライアングルではボラティリティが徐々に縮小します。同じABCでも、形によって待つべき価格と見切る基準は変わります。

この記事では、A波が何を意味するのか、B波の反発をなぜ調整終了と早合点してはいけないのか、なぜC波を待つ必要があるのかを整理します。そのうえで、ジグザグ、フラット、トライアングルを基本レベルで見分ける基準を確認していきます。

調整波はA・B・Cで直前の値動きを戻します
調整波はA・B・Cで直前の値動きを戻しますA波とC波は調整方向へ進み、B波は中間の戻りです。B波だけを見て調整終了と決めつけると、C波につかまりやすくなります。

A波は既存トレンドの最初の崩れです

上昇トレンドの後に最初の下落が出ると、多くの人はすぐに押し目買いを探します。しかしA波は、調整の始まりである可能性が高い局面です。特に直前の上昇が過熱した後に大きな陰線が出た場合、その下落は既存トレンドが初めて崩れた地点に近いと考えます。単なる押し目とは扱いません。

したがってA波では、調整がどのような形で進みそうかを見極めることに集中すべきです。買いのタイミング探しは後回しにします。A波が急速に売られるならジグザグの可能性が高まり、反対にA波が緩やかに下げるなら、フラットやトライアングルの可能性も残しておく必要があります。

A波が直前の上昇時より大きな出来高を伴って下げる場合、調整が浅く終わるとは考えにくくなります。反対に、A波が出来高の減少を伴いながらゆっくり下げる場合は、単なる利益確定で終わることもあります。結局、最初の下落がどれほど強かったかが、その後のB波とC波を読む基準線になります。

ジグザグではC波の途中が逆張りのエントリー地点ではありません

ジグザグは通常、5-3-5構造で素早く動きます。実戦で重要なのは、C波がA波と同程度の勢いで進む可能性があるという点です。A波が深く下げた後、B波が浅く反発し、再びC波が始まった場合、その途中で「もう十分下がった」と判断して買いに入るのは最も危険です。

ジグザグでは、B波はA波を大きく戻せません。おおむねA波の38.2〜61.8%だけ戻して再び下げ始めるなら、C波が始まったと見ます。このときC波は、A波の長さの0.8〜1.2倍まで進むことがよくあります。そのため、C波の長さと実際の反応を最後まで見届けてから逆張りを判断するほうが適切です。

> 上昇トレンドの後、A波が直前の上昇分の45%を素早く戻します。

> B波の反発がA波の50%付近で止まり、再びB波安値を終値で割り込みます。

> この局面はC波進行の候補と見なし、新規ロングは停止してください。

> C波がA波の長さの0.8倍以上進んだ後、下落時の出来高が減り、次のローソク足がC波の下降トレンドラインを回復したら、反転候補と見ます。

> 価格がC波安値を再び終値で割り込むなら、調整終了シナリオは捨ててください。

ジグザグで最も重要な習慣は、「C波を確認する前に底を予測しないこと」です。A波が強かったなら、市場にはもう一度同じ方向へ動く余地が十分に残っています。

ジグザグのC波途中では調整終了と決めつけません
ジグザグのC波途中では調整終了と決めつけませんC波がA波の長さを十分に満たし、実際の反応が出るまで逆張りを急ぎません。

フラットではB波が深くても、まだ調整中の可能性があります

フラット調整は、ジグザグよりも判断が難しい形です。B波がA波の始点付近まで深く戻すためです。上昇トレンドの後にA波の下落が出て、B波がほぼ直近高値まで回復すると、多くの人は「調整は終わった」と判断します。しかしフラットでは、そのB波自体がまだ調整の一部である可能性があります。

フラットの要点は、B波が深く、その後にC波が再び反対方向へ進む構造だということです。通常のフラットではB波がA波をほぼ全戻しし、拡大型フラットではB波がA波の始点をわずかに超えることもあります。そのため、B波の回復だけを見てすぐにブレイクアウト買いへ入ると、その直後に出るC波の下落につかまる可能性があります。

フラット候補では、B波高値の後に価格がどのように押し戻されるかを観察する必要があります。B波高値で出来高が減り、それまでの上昇角度が鈍り、短い時間軸で切り下がる高値が積み重なるなら、C波リスクは急速に高まります。

フラットではB波が深く戻しても調整終了とは限りません
フラットではB波が深く戻しても調整終了とは限りませんB波がA波の始点付近まで戻した後、C波が再び出ることがあります。B波の回復だけでブレイクアウト買いに入りません。

トライアングルはe波後の終値ブレイクだけが取引対象です

トライアングル調整は、値幅が徐々に狭くなる構造です。a-b-c-d-eと進むにつれて高値は切り下がり、安値は切り上がることが多いため、この局面で方向を予測しようとすると、小さな揺れのたびに判断を外しやすくなります。

その代わり、トライアングルでは待つべき価格が明確です。上限ラインと下限ラインです。e波候補が終わった後、一方の境界線を終値で突破し、1〜2本以内に再び境界線の内側へ戻らない場合に限って行動します。

> 4時間足でa-b-c-d-eの圧縮が確認され、各スイングの振幅が前回より小さくなります。

> 価格が上限ラインを終値で突破し、ブレイク足の出来高が直近20本の平均の1.3倍以上です。

> エントリーはブレイク足の終値、または上限ラインの再テストで行ってください。

> 損切りはe波安値の下、または境界線内に戻った足の安値下に設定してください。

> ブレイク後2本以内に終値が再びトライアングル内へ戻るなら、失敗ブレイクと見て手仕舞いしてください。

トライアングルで最も悪いエントリーは、d波やe波の途中で方向を先読みしようとすることです。圧縮が終わるまではリスクリワードが悪く、だましのブレイクも多いため、このパターンでは待つ時間そのものが収益率の一部になります。

トライアングルではe波後に境界線の終値ブレイクが必要です
トライアングルではe波後に境界線の終値ブレイクが必要です圧縮の途中で予測せず、境界線の外で終値が維持された場合だけブレイク候補と見ます。

調整波で最も危険な言葉は「ほぼ終わった」です

調整波は、いつもほぼ終わったように見えます。A波の後に反発が出ると終わったように見え、B波が深いと終わったように見え、トライアングル内でe波が見えるとすぐに動き出しそうに見えます。しかし調整波は、確認されるまでは形を変え続けます。

だから調整波では、「終わった」と断定する前に、「終わるためには何が出る必要があるのか」を考えるべきです。ジグザグならC波の反応とトレンドラインの回復、フラットならB波後にC波が失敗するかどうか、トライアングルなら境界線の終値ブレイクとその維持が条件になります。

結局、調整波分析の目的は、まだ入ってはいけない局面を除外し、実際に構造が終わったときに損切りが近いエントリーだけを残す作業です。底と天井を正確に当てることとは違います。

ABC確認後に最初に見るべきものは損切り幅です

調整終了を狙うエントリーは魅力的に見えますが、損切りが遠ければ意味がありません。C波安値が遠すぎる、トライアングルの境界線が広い、フラットのB波後にボラティリティが高まっている。そうした状態では、方向判断が合っていてもリスクリワードは急速に悪化します。

したがってABCが確認されたら、まず損切り基準から設定する必要があります。ジグザグではC波安値、フラットではC波安値またはB波の失敗ゾーン、トライアングルではe波の反対側の境界線が基準になります。この損切り幅に対して、第一目標が少なくとも1.8R以上にならないなら、調整終了を狙う取引は見送るほうが安全です。

この順序を守ると、調整波はかなりシンプルになります。どの調整なのかを当てる前に、間違ったときに小さく済ませられるかを先に確認すること。それが調整波トレードの出発点です。