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ハーモニックPRZパターン - D点は価格帯として見ます

ハーモニックは、PRZの幅、初回の反応、再テスト、無効化がそろって初めて売買候補になります。

> ハーモニックパターンのD点は、*複数の比率が重なり、価格が反応すべきゾーン*です。ひとつの点として見てはいけません。

ハーモニックパターンにはGartley、Bat、Butterfly、Crabなど多くの種類があり、比率も複雑です。そのため、名称や数値だけにこだわると、本来D点で何を見るべきかを見落としてしまいます。

この記事の中心はPRZ(Potential Reversal Zone)です。複数のフィボナッチ比率が同じ価格帯に集まり、価格がそのゾーンで反応し、無効化水準が近いときに初めて、ハーモニックは売買できる構造になります。Dに到達したという理由だけで逆方向に賭けてはいけません。PRZの幅、初回の反応、再テスト、無効化がすべてそろった場合に限り、売買候補にします。

まず用語を簡単に確認しておきます。XABCDはハーモニックを構成する5つのスイングポイントで、XAは最初のインパルス波、ABとBCは途中の戻し、CDは最後にPRZへ到達するレッグです。AB=CDは、まずABとCDの価格幅(長さ)の対称性が近いかを見る基準であり、時間的な対称性はあくまで副次的な参考にすぎません。BCエクステンションは、Cから再び進んだ値動きがDまでどれだけ伸びるかを見る補助的な投影です。

PRZは比率が重なるゾーンです
PRZは比率が重なるゾーンですXA、AB、BCの比率ターゲットが同じ価格帯に集まると、D候補のゾーンが形成されます。

比率は重なってこそ意味を持ちます

ハーモニックでは、ひとつの比率が合っているだけでもパターンらしく見えることがよくあります。しかし信頼できるPRZは、複数の比率が狭い範囲に重なっています。XAリトレースメント、BCエクステンション、AB=CDのターゲットが同じ場所を示すほど、その価格帯の重要度は高まります。

反対に、PRZの幅が広すぎると売買基準が曖昧になります。たとえばPRZが現在価格の4-5%にまたがっている場合、エントリーや損切りをどこに置くべきか判断しにくくなります。信頼できるPRZとは、資産のボラティリティを考慮しても、損切り位置を明確に定められる程度に十分狭いゾーンです。

D候補では、すぐに2つの点を確認します。第一に、複数の比率が同じ場所を指しているか。第二に、その場所が直近の構造上、意味のあるサポートやレジスタンスと重なっているかです。

広すぎるPRZは売買基準を曖昧にします
広すぎるPRZは売買基準を曖昧にします比率ターゲットが広く散らばるとエントリーと損切りが曖昧になり、狭く重なるほど計画は明確になります。

Dは反応を見て判断します

価格がD候補ゾーンに到達したという事実だけでは不十分です。PRZは反転が起こる可能性のあるゾーンであり、実際に反転するかどうかは価格が決めるからです。そのため、そのゾーン内でヒゲ、包み足、小さな構造転換といった反応が先に出る必要があります。

強いトレンドでは、PRZをそのまま突き抜けることもあります。このときハーモニックの分類だけを信じて持ち続けると、損失は急速に膨らみます。D点で初回の反応がない場合、または反応した直後に再びPRZの外に出てしまう場合、そのパターンは見送るべきです。

損切りはPRZの外に置きます

ハーモニックの損切りは、パターンの論理が崩れる位置に置くべきです。上昇反転のハーモニックならDの下、下落反転のハーモニックならDの上が基本位置です。エントリー価格から固定パーセントで機械的に損切りを置くと、パターン構造とずれてしまいます。

> XABCD構造で、XAリトレースメント、BCエクステンション、AB=CDターゲットが1.2%以内のPRZに重なります。

> 価格がPRZに初めて到達したあと長いヒゲを作り、次のローソク足がPRZ内側へ終値で戻ります。

> エントリーは、復帰した足の終値、またはPRZの再テストで行います。

> 損切りはPRZの外側0.3 ATRに設定します。

> 価格がPRZの外で2本連続して終値を付けたら、ハーモニック反転という判断を取り下げます。

Dの反応はヒゲと終値の復帰で確認します
Dの反応はヒゲと終値の復帰で確認しますPRZにタッチしただけでは入らず、ゾーン内へ戻る確認足を待ちます。

ハーモニック最大の落とし穴は数値合わせです

ハーモニックパターンは扱う数値が多いため、一見すると精密に見えます。しかし数値が多いほど、過去チャートへの後付けもしやすくなります。すでに終わったチャートでは、どんな比率でもそれらしく合わせられるからです。

実戦で重要なのは、いまDゾーンで価格がどう動いているかです。終わったチャートできれいに当てはまっていたとしても、それだけでは売買基準になりません。比率が完璧でも反応がなければ取引しません。反対に、比率の重なりがやや広くても、PRZがサポートやレジスタンスと重なり、反応が明確なら、監視する価値のある候補になります。

ハーモニックはPRZを中心に見ます。実際のエントリー手順、分割利確、PRZ幅の計算といった細部は、PRZ実戦ガイドでチェックリストとして扱うほうが適しています。ここでは、ゾーン、反応、無効化の順序を決めておくだけで十分です。

まずPRZの質を点検します

ハーモニックの分類が合っていても、PRZの質が低ければ取引しません。PRZは通常、3つのランクに分けて見ます。

  • A級: 3つ以上の比率が狭く重なり、上位時間軸のサポートやレジスタンスと一致し、初回タッチでヒゲや終値の復帰が出ます。
  • B級: 比率は重なっているものの、構造上の位置が弱い、または反応が遅れます。
  • C級: 数値だけが合っていて、価格の反応が伴いません。

実戦ではA級だけを通常サイズで取引し、B級は半分以下に落とすか、監視候補にとどめます。C級はそもそも取引しません。結局、ハーモニックで重要なのは、PRZが損切りを置けるほど十分に狭いか、そして実際に価格の反応が出たかです。

比率の重なりと反応でPRZの質をA・B・C級に分けます

PRZを抜けたらハーモニックは終了です

ハーモニックは、Dで長く粘る取引には向きません。PRZは反転を期待するゾーンですが、そのゾーンを離脱したなら、反対方向のトレンドのほうが強いというサインと見るべきです。

したがってハーモニックは、条件付きの計画に近いものです。自動的な反転シグナルだと考えてはいけません。PRZに到達し、反応し、再テストでも守られたときにだけ入り、PRZを離脱したらその場で終了します。

PRZ外での終値は、ハーモニックが否定されたサインです
PRZ外での終値は、ハーモニックが否定されたサインですゾーンの外で2本連続して終値を付けたら、D反転の判断を取り下げ、まずトレンド継続の可能性を考えます。