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一目 — 遅行スパンと一か月前の価格
細田が最も重視した遅行スパンは、今日の終値を26本うしろにずらし、いまが一か月前の価格帯をきれいに抜けたかで流れの本物かを判断する。
五本のうち最も重要な線
第1回で見たとおり、遅行スパンは今日の終値をそのまま26本ぶん左、過去の位置にずらして描いた線です。細田は五本のうちこの遅行スパンを最も重視しました。
理由は作り方にあります。転換線・基準線・先行スパンはどれも高値と安値の中値を取った値です。遅行スパンだけが今日の終値をそのままずらします。五本のうち、いまの価格そのものを過去に突き合わせる線は遅行スパンだけで、だからこそ、いまが以前より本当に高いのか低いのかを最も直接的に示します。
ところが英語圏ではこの線を最も軽く扱います。たいていは、いまの価格が26本前の価格より上か下かだけを見て済ませます。これは、細田が遅行スパンを使ったやり方には遠く及びません。
いまの価格と一か月前の価格を突き合わせる線
遅行スパンは今日の終値をずらした線なので、遅行スパンが26本前の足の上にあるという話は、今日の終値が26本前の足より高いという話と同じです。線が一本増えたように見えても、結局はいまの価格と26本前の価格を同じ高さで突き合わせる仕掛けです。
わざわざ26本前と突き合わせるのには理由があります。昨日や一昨日と比べると、こまかな揺れに振り回されてしまいます。日足で26本、約一か月前の価格を基準に取れば、短い揺れをふるい落とし、流れが一段上がったかどうかを見られます。

26本前の足の価格帯全体を見る
英語圏の使い方は26本前の価格を点ひとつで見ます。細田の原典はそれより広く、26本前の足の高値から安値までつながる価格帯全体を見ます。
点ひとつだけを見ると、いまの価格が26本前の終値を少し超えただけで信号がつき、小さな動きでも簡単にひっくり返ります。足の価格帯全体を抜けたかどうかで見れば、26本前のその足が行き来した幅をすっかり抜けきったという意味になり、はるかに堅い確認になります。
遅行スパンが26本前の足の価格帯の上へきれいに抜ければ買い信号、下へ抜ければ売り信号です。価格帯の中にかかっていれば、まだどちらでもありません。市場が一か月前と同じ位置で方向を決めきれていないという意味です。

頭上にふさぐものがあるか
遅行スパンが通る26本前の位置に、過去のローソク足がどう並んでいるかも合わせて見ます。その位置に大きなローソク足や厚い出来高が積み上がっていれば、それがいまの価格の頭上に残った玉です。いまの流れが上へ向かうには、その玉を超えなければなりません。
遅行スパンがその売り板の中にかかっていれば、いまの価格がよく見えても一度止まる位置です。逆に26本前の位置が空いていて遅行スパンがひっかかりなく浮いていれば、頭上にふさぐものがなく、流れがきれいに進みます。

突き合わせる足は26本前にある
遅行スパンを読むときによくある誤りがあります。遅行スパンの線が終わるチャートの右端、つまり今日のローソク足と突き合わせてしまうことです。
遅行スパンは、その線が置かれた26本前の位置のローソク足と突き合わせて見なければなりません。線の端が触れる今日のローソク足を基準にすると、見当ちがいの足と比べることになります。遅行スパンをつけたら、視線をチャートの左、26本前へ移さなければなりません。
よく見えても閉じ込められていれば未完だ
価格が雲の上へ上がり、転換線が基準線の上へ行っても、遅行スパンが26本前の価格帯に閉じ込められていれば、細田の基準ではセットアップは未完です。遅行スパンがその価格帯を抜け出すことが最後の条件です。

26本前が大きな陽線だったなら、遅行スパンがその上へ抜け出すまでに数日よけいにかかります。エントリーはそのぶん遅れますが、こうして一呼吸おいて入るほうが、かえって安全なタイミングになります。遅行スパンの確認なしに入ったブレイクは、26本前の価格帯にふさがれて引き返すことが多いのです。
売りは符号を変えてそのまま読みます。遅行スパンが26本前の価格帯の下へきれいに下りて、価格が雲の下、転換線が基準線の下にあれば、弱気側のセットアップです。