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Quasimodo(QM) — ヘッドアンドショルダーのSMC版、トリガーは直前高値のスイープです

ヘッドアンドショルダーをネックライン抜けで売買してきたトレーダーが、QMでは左肩の高値をスイープした後に直前の安値が抜けるところをエントリーと見るようになる記事です。トリガーが価格レベルから流動性イベントへ移る理由を、検証済みのBTC・ETH日足の事例で説明します。

> ヘッドアンドショルダーはネックラインが抜ける瞬間を待ちますが、QMはその前に左肩の高値がスイープされ、直前の安値が抜ける一拍ですでにエントリーを済ませています。

Quasimodo(QM)は、スマートマネーコンセプト(Smart Money Concept)の陣営がヘッドアンドショルダーを流動性の観点で整理し直したパターンです。ヘッドアンドショルダーという三つの山は同じです。違いはエントリーの基準をどこに置くかにあります。QMは頭をつけた後に価格が再び上がってきて左肩の高値をわずかに上抜けしてスイープし、その直後に直前の安値を抜けて構造が下へ転換する地点を一つのパターンと見ます。オーバーアンドアンダー(Over-and-Under)という別名もここから来ています。

一般的な解釈は、このパターンをただの「きれいなヘッドアンドショルダー」と見ます。肩と頭を描き、ネックラインを引いておき、終値がネックラインを抜けたらエントリーする順序です。この順序が馴染み深いのは、ヘッドアンドショルダーパターンをそう習ったからです。問題は、ネックライン抜けが確定する頃には価格がすでにエントリー価格からかなり下がっており、損切りを頭の天井まで置かなければならないため損益比が成立しない点です。

QMの核心は、エントリー基準を価格帯から流動性イベントへ移したことにあります。ネックラインという水平線が抜けるのを待つ代わりに、左肩の上に積み上がった損切り注文が一度約定し、その直後に構造が折れる二つのイベントが重なる場所を見ます。この記事を読み終えると、ヘッドアンドショルダーでネックラインよりも先に左肩高値のヒゲ一本を見るようになります。

ヘッドアンドショルダーのネックラインエントリーとQMのスイープエントリーの違い
ヘッドアンドショルダーのネックラインエントリーとQMのスイープエントリーの違いQMはネックライン抜けよりも先に左側高値のスイープと構造転換を確認し、スイープ近辺のオーダーブロック押し戻しをエントリー候補に絞ります。

スイープひとつだけではエントリーしません(二つのイベントの結合)

QMとヘッドアンドショルダーを分ける基準は、二つのイベントがそろって現れるかどうかです。一つ目は左肩の高値を上抜けするスイープです。肩の高値の上には、直前高値を抵抗の基準と見た買い手の損切りとブレイクアウトの追随注文が積み上がっており、市場はその流動性を一度持っていった後に方向を変えます。二つ目は、その直後に直前のスイング安値が抜けてトレンド構造が上昇から下落へ折れる構造転換(BOS/CHoCH)です。どちらか一方だけならQMではありません。

この結合が重要な理由があります。スイープだけあって構造転換がなければ、単なるダマシの抜けにすぎず再び上昇しうるし、構造だけ転換して上側の流動性を取らなければ、頭の上に損切りの玉が残って再び引き上げられます。二つのイベントが近い時点で連続して出てこそ、上側の玉が消化されながら下落の流れが続きます。チャートでヘッドアンドショルダーが見えたら、右側の山が左肩の高値を上抜けしたかどうかと、その後に直前の安値が終値で抜けたかどうかを二つに分けて確認するのが最初の作業です。

エントリー基準をスイープへ移すと損益比が変わります

同じパターンをネックラインで売買するときとスイープで売買するときとでは、エントリー価格と損切り幅が大きく変わります。ネックライン基準はパターン下端で終値確定を待つためエントリーが低く、損切りは頭の天井まで遠く置かれます。QM基準はスイープ高値の近辺へ価格が押し戻された場所でエントリーするため、エントリーがパターン上端に近く、損切りはスイープのヒゲ先のすぐ上へと短くなります。

2024年3月14日のBTC日足がこの構造を見せています。価格はその日73,777ドルまで高値をつけて直前高値帯をスイープした後、71,388ドルで引け、その後数日かけて翌日(3月15日)安値65,600ドルまで押されて直前のスイング安値を終値で抜け、構造を下へ転換しました。ネックライン抜けを待ったトレーダーは、直前のスイング安値が割れた68,000ドル台でようやくエントリーしながら損切りを73,777の上に置かねばならず、スイープ高値近辺の押し戻しでエントリーした側は損切りをスイープのヒゲの上へ短く置いて同じ下落区間に乗りました。エントリーの高さが違うので、同じ目標で損益比が大きく分かれます。チャートでQMが見えたら、ネックラインまで待つかスイープの押し戻しで受けるかが損益比を分ける分岐点になります。

スイープ高値近辺のオーダーブロックがエントリーを精密にします

スイープ高値の近辺でどこまで押し戻したら受けるかを定める道具がオーダーブロック(Order Block)です。スイープをつくる直前の最後の陽線、つまり上昇の最後の買いキャンドル区間が売り側のオーダーブロックです。価格がこの区間へ押し戻したらエントリーし、この区間を終値で上抜けしたら無効と見ます。

この精密化が必要な理由は、スイープ高値という一点だけではエントリー価格が広く散らばりすぎるからです。2021年11月10日、BTCは正確に69,000ドルをタッチした後、同じ日に64,882ドルで引けて反転しました。この69,000の天井の直前の買いキャンドル区間が、その後の押し戻しで売り反応の区間として働き、その上へ終値が再び乗れない間、トレンドは下へ続きました。需給ゾーンでこの場所を併せて表示すれば、エントリーと無効化の境界が一つの区間へ絞られます。チャートでスイープが出たら、その直前の買いキャンドル一本を陰影で表示しておき、押し戻しがその中へ入ってくるかどうかを見守るのが次の作業です。

コアセットアップ: QMショートエントリー

もっともよく使う活用は、上昇の終わり際につくられるQMをショートで受けるセットアップです。上の2024年3月14日のBTC事例を基準に整理します。エントリー区間の基準足は、スイープ直前の陽線である3月13日の日足(終値73,072ドル)です。

  • タイミング: 左肩の高値を上抜けするスイープ(3月14日高値73,777ドル)が出て、直後に直前のスイング安値が終値で抜けて構造転換が確認される二つのイベントが重なった後です。
  • エントリー: スイープ直前の陽線(3月13日、終値73,072ドル)の区間である約72,800〜73,100ドルへ押し戻したら分割エントリーします。
  • 損切り: スイープのヒゲ先73,777ドルの上0.3%の地点である約74,000ドルに置きます。
  • 無効化: 終値が74,000ドルの上で引けたら、売り反応が無効になったと見てパターンを無効として処理し、手仕舞います。
  • 利確/管理: 一次目標は直前のスイング安値である65,600ドル(エントリー価格73,072に対し約10.2%の下落、損切り幅1.27%の約8倍)で、残りの玉は損切りをエントリー価格へ移した後にトレンドを追います。

このセットアップの損益比は、エントリー73,072・損切り74,000・目標65,600を基準に約8:1です。同じパターンをネックラインで受けると、直前のスイング安値が割れた後(約68,400ドル)にエントリーしながら損切りは同じく74,000ドルに置かねばならないため、損切り幅8.19%に対して利益幅4.09%で損益比が0.5:1まで下がります。同じチャート、同じ方向で、エントリー基準の位置ひとつで損益比が8:1と0.5:1に分かれます。

QMがうまく合わない三つの使い方

  • スイープなしで形だけ見てエントリーする場合です。 右肩が左肩の高値を上抜けしていないのに、ヘッドアンドショルダーの形が似ているという理由でエントリーすると、上側の流動性が残っているため再び引き上げられます。右肩が左肩の高値を上抜けするスイープのヒゲが出てこそQMと見ます。
  • 構造転換を待たない場合です。 スイープは出たが直前の安値がまだ割れていないなら、それは単なるダマシの抜けかもしれません。直前安値の終値抜けという構造転換のシグナルを確認する前は、スイープだけでエントリーしません。
  • 損切りを頭の上に置く場合です。 QMの損切りはスイープのヒゲ先のすぐ上です。頭の天井まで損切りを伸ばすと、QMエントリー基準の唯一の強みである短い損切りをみずから手放すことになります。

スイープ高値はネックラインより確かな無効化基準です

このパターンで最後に押さえる部分は無効化線です。ネックラインは価格がどちらへも何度も行き来した水平線なので、割れては回復することが多いですが、スイープ高値は市場が損切りの玉を持っていった後に一度拒否した価格です。その上へ終値が再び乗るということは、売り反応が無効になったという意味であり、パターンの前提が消えたということです。エントリー基準を価格レベルから流動性イベントへ移すと、エントリーと同時に損切りがどこかが一点で定まり、入る前に損益比を計算できます。

2024年8月5日のETHは、この無効化の概念を逆方向で見せています。価格は2,111ドルまで下へヒゲを下ろして直前安値の下の流動性をスイープした後、同じ日に2,419ドルで引けて上へ構造を折りました。底でつくられた逆QMで、無効化線はスイープ安値2,111のすぐ下でした。エントリー基準の位置を移すという原則が、買い方向でもそのまま当てはまる事例です。この場所を終値で再び抜けない間、反発が続きました。併せて見ておくとよい点検項目は次のとおりです。

  • [ ] 左肩の高値(または安値)をヒゲだけでスイープしたか(終値で抜けたら無効)
  • [ ] スイープ直後に直前のスイング安値(高値)を終値で抜けたか - 構造転換の確認
  • [ ] スイープ直前のキャンドルがオーダーブロックとして押し戻しのエントリー区間を提供するか
  • [ ] 損切り(スイープのヒゲ先の向こう)と一次目標(直前のスイング)の間の損益比が3:1以上か

四項目がすべて満たされれば、QMは単純なヘッドアンドショルダーの形を超えて、上側の流動性を消化して下がる一拍として読めます。

QMショートでスイープ、CHoCH、オーダーブロック押し戻しが続く順序
QMショートでスイープ、CHoCH、オーダーブロック押し戻しが続く順序スイープの後にCHoCHが出て、価格がオーダーブロックへ押し戻すときにエントリーし、損切りはスイープ高値の上に置いて無効化基準を短く取ります。