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RSI — 相対力指数

トレンド内の押し目が終わったかどうかを、出来高より一足早く捉えます。

RSIの70/30ルールは、最も広く知られている使い方です。70を上回れば買われすぎ、30を下回れば売られすぎと見なし、70で売り、30で買うという考え方です。

問題は、強いトレンドが出ている資産でこのルールを使うと、損失がすぐに積み上がることです。BTCが2024年1月に41,000ドルから73,000ドルまで上昇する間、日足RSIは2カ月近く70を上回ったままでした。70で売るルールを使っていた人は、30,000ドル近い上昇局面を逃したうえ、毎回より高い価格で入り直すことになりました。

そのため、RSIの70/30は相場の局面を見分ける基準として使い、そのままエントリーラインにはしません。トレンド相場では、押し目が終わったかどうかをRSIが40〜50から回復するかどうかで判断し、レンジ相場では70/30への反応を別途評価します。

同じ価格でもRSIの到達経路が異なり、局面の読み方が分かれます

70は今の局面を示すサインで、そのうえでエントリーポイントを探ります

RSIの読み方は大きく二つに分かれます。レンジ相場では、70超えは「過熱感がそろそろ冷める」というシグナルとして機能します。一方、トレンド相場では、70超えは「いま強い上昇トレンドの中にいる」というサインです。同じ70という数字でも、局面によって正反対の意味を持ちます。

この区別を先にしておかないと、RSIは毎回誤ったエントリーを生みます。まずADX、200 EMA、価格構造でトレンド局面なのかレンジ局面なのかを分けてから、RSIを読んでください。価格が200 EMAの上にあり、ADXが20以上なら、70は現在の局面を示すサインです。一方、価格が200 EMA付近で推移し、ADXが20以下なら、同じ70でも売り候補になります。

同じBTCのRSI 75でも、2024年2月のトレンドの真っただ中ではエントリーシグナルとしては機能しません。反対に、ETHが2,500〜2,700ドルでレンジを形成しているときの75は、売り候補になります。

同じRSI 70が、レンジでは売り候補、トレンドでは強さのサインになります

トレンド内の押し目 — 出来高より早く

上昇トレンドで本当のエントリーポイントになるのは、押し目が終わって回復する地点です。70は、いま強いトレンドの中にいることを示すサインです。すぐに売れという位置ではありません。実際のエントリーは、価格が短期的に調整し、RSIが50付近まで下がったあと、再び50を上回る瞬間に生まれます。このパターンは、出来高分析より一足早く反応します。出来高はローソク足が確定してから確認する必要がありますが、RSIの50回復は、足の途中で進むモメンタムの変化をリアルタイムに示すからです。

> BTCの4時間足が200 EMAの上にあり、ADXが20以上の上昇トレンド中、

> 価格が直近のサポートまで押して、RSIが40〜50の範囲まで下がりました。

> RSIが再び終値で50を回復した足の終値でエントリーします。

> 損切りは押し目の安値の下に置きます。

> RSIが再び終値で50を下回った場合、このセットアップは失敗と見なします。

重要なのは、RSIが30まで下がるのを待たないことです。強いトレンドではRSIは30まで下がらず、40〜50の間で反発するため、30にこだわって待つ人はほとんどエントリー機会をつかめません。

上昇トレンドではRSIの50回復が入り口で、30を待つと機会を逃します

下降トレンドのショートセットアップは、同じ構造を反転させればよいです。RSIが50〜60の範囲まで反発したあと、再び50を下回る足がエントリータイミングになります。

ダイバージェンス — トレンド弱化のサイン

RSIダイバージェンスとは、価格が新高値を付けたにもかかわらず、RSIは直前の高値より低い位置で止まる形を指します。モメンタムが弱まっているサインとしてよく取り上げられますが、ダイバージェンスをそのままトレンド終了と読むと損失が積み上がります。

強いトレンドでは、弱気ダイバージェンスが2回、3回と繰り返し出ても、価格は上がり続けることがあります。BTCが2024年3月に73,000ドルの高値へ向かう過程では、日足で弱気ダイバージェンスが2回出ましたが、トレンドは終わりませんでした。ダイバージェンスだけを見てショートに入った人は強制清算されました。

ダイバージェンスを信頼できるのは、二つの条件がそろったときです。第一に、価格が上位時間軸(HTF)のレジスタンス帯に到達していること。第二に、RSIの50ラインを終値ベースで明確に割り込むことです。ETHが4,800ドルの直近高値を超えて4,950ドルを付けたときにRSIダイバージェンスが発生し、その後RSIが終値で50を割り込むと、本格的なトレンド転換が始まりました。ダイバージェンスだけでは警告にすぎず、50ラインの終値割れがエントリーシグナルです。

価格は新高値でもRSIの高値は切り下がる弱気ダイバージェンスの構造

フェイラースイング — ダイバージェンスより確度の高いパターン

Wilderが原著で述べたフェイラースイングは、単純なダイバージェンスより条件が一段厳しく、その分信頼性も高くなります。

まずRSIが30を下回ったあと、上に戻ります(最初の安値が30未満で形成されます)。その後もう一度下がりますが、今度は30を割らずに止まり(2番目の安値が30より上で形成されます)、2回目の反発が1回目の反発高値を上回ると買いシグナルになります。RSIというモメンタム指標の内部だけで形が完成するため、単純なダイバージェンスよりトレンド転換を一段信頼しやすくなります。

反対のパターン、つまり70を上回ったあとに2番目の高値がより低く形成される形は売りシグナルです。フェイラースイングは、RSI自体が買われすぎ・売られすぎの領域で反転したという事実まで含むため、通常のダイバージェンスよりエントリー根拠の確度がさらに高くなります。

RSIが30を割らず直前の反発高値を超えるフェイラースイングの4段階

資産ごとに70の重みは違います

70/30がすべての資産で同じ意味を持つわけではありません。BTCのような高ボラティリティ資産ではRSIが80を上回ったまま推移することがよくあります。一方、SPYのような大型で安定した資産では、RSIが70を上回ること自体がまれです。つまり、同じ70ラインでも、二つの資産では統計的にまったく異なる位置にあります。

エントリーに使うしきい値は、その資産のRSI分布を一度見るだけでも把握できます。たとえばBTCの日足がRSI 78超えから5回すべて下落しているなら、78がその資産における実質的な買われすぎラインであり、70は出発点にすぎず、答えではありません。

時間軸も同じです。1分足のRSI 80は頻繁に出ますが、日足のRSI 80はまれです。そのため、しきい値は資産と時間軸の組み合わせごとに確認し直す必要があります。

BTCとSPYでRSI分布が異なり、買われすぎの基準も資産ごとに変わります

どこで効きにくいか

  • トレンド相場での70売り: 強い上昇トレンドにおけるRSI 70は、トレンドの真っただ中で、動きはそのまま続くことが多いです。そのため、トレンドフィルター(200 EMA、ADX)を使わずに70で売ると、毎回より高い価格で入り直す展開が繰り返されます。
  • モメンタム指標を重ねて使うこと: RSIにStochasticやCCIを重ねると情報が増えたように見えますが、実際には同じ種類のシグナルを二度受け取っているだけです。RSIを選んだなら、次は別の観点の指標を選ばないと、情報は増えません。候補になるのは、トレンド強度を見るADX、出来高を見るOBV、ボラティリティを見るBollinger Bandsです。
  • 期間を短くすること: RSI(7)はシグナルが早く見えますが、ノイズも同時に増えるため、ダマシの比率が急激に高まります。Wilderが14を使ったのは、その値でノイズが最もよく平滑化されるからです。まず14を1カ月使い、足りない点を見つけて調整する進め方が安全です。

ほかに何を併せて見るか

RSIセットアップを信頼するには、二つの要素がそろう必要があります。

  • 上位時間軸のトレンド: 1時間足でRSI 50回復を使ってエントリーするのは、4時間足のトレンドと同じ方向のときだけです。4時間足が200 EMAの下にあるのに、1時間足で買いエントリーを狙うのは、トレンドに逆らうエントリーです。
  • 価格構造: RSI 50回復が直近サポートの上で出ているかが重要です。何もない空白地帯で出た50回復は、単なるモメンタム変動に終わる可能性が高くなります。
上位時間軸のトレンド方向と一致するときだけRSIダイバージェンスを採用します