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A/D Line — 終値の位置と出来高から売買圧力を読む

A/D Lineは終値の位置で出来高に重みを付けて累積します。価格だけが新高値を作り、圧力が追随しない場面を見つけるのに役立ちます。

A/D Lineは出来高の大きさだけでなく、その出来高を伴った足がどこで引けたかを問います。


Accumulation/Distribution Line、略してA/D Lineは、価格と出来高を組み合わせて累積する指標です。足が高値近くで引けるほど買い集め、安値近くで引けるほど売りさばく側に出来高を反映するのが要点です。


OBVは終値が前日より上がったか下がったかで出来高を足し引きします。A/D Lineは同じ陽線でも、終値がその足のどこにあるかを細かく見ます。大きな陽線でも高値から押し戻され、安値付近で引ければ、分配圧力として反映され得ます。


そのため、価格は表面上よく上がっていても、終値の位置と出来高が追随しない局面を探すのに有用です。価格は新高値なのにA/D Lineが高値を更新できなければ、上昇を支える圧力の疲れを疑えます。


終値位置で変わる出来高の意味
終値位置で変わる出来高の意味同じ大きな出来高でも、足が高値近くで引けたか安値近くで引けたかで解釈が変わります。

終値の位置が出来高に付ける方向を変えます


出来高が多いだけで買い勢力が強かったとは言えません。大きな出来高でも足が下側で引けたなら、高値で出た売りを誰が受けたかより、誰が売ったかが重要かもしれません。


A/D Lineはこの差を反映します。高値近くの終値は買い集め側、安値近くは分配側へ累積します。中央付近で引ければ、出来高が多くても線への影響は小さくなります。つまり量だけでなく、その出来高がどの位置で終わったかを重視します。


実践では、終値が高値と安値の間のどこにあるかを先に見ます。出来高の大きな足が上位25%以内で引けることが続けば、買い集めの圧力が累積している可能性が高まります。下位25%での引けが続けば分配圧力を疑います。


価格の新高値にはA/Dの新高値も必要です


健全な上昇では価格だけが上がるわけではありません。価格の新高値にA/D Lineの高値更新が伴えば、終値位置と出来高が上昇を確認します。


価格は新高値でもA/Dが前の高値を超えられなければ注意します。価格は上へ押されたものの、足の上側で引ける出来高の累積が弱まったということです。即ショートより、買い増しを止めて損切りを上げる根拠にするほうがよいでしょう。


ダイバージェンスは繰り返すほど重要です。一度の低いA/D高値は小さな揺れかもしれません。2回以上続き、価格が直近の押し安値を割れば、圧力の確認失敗は明確になります。価格のトレンドラインより先にA/Dの高値・安値の構造が崩れるかを見ます。


価格の新高値とA/Dの低い高値
価格の新高値とA/Dの低い高値価格だけが新高値を作りA/Dが追随しなければ、上昇を支える圧力の疲れを疑います。

レンジ突破はA/Dの直近20本の高値と合わせて見ます


A/D Lineはレンジからのブレイクアウトで使いやすい指標です。価格が上限を終値で超えるとき、A/Dも直近高値を超えれば、売買圧力の確認が加わります。


エントリー: 価格がレンジ上限を終値で突破し、同時にA/D Lineも直近20本の高値を更新します。損切り: レンジの中心または突破前の押し安値より下に置きます。無効条件: 価格が突破水準を守っても、A/Dが5本以内に以前の範囲へ戻れば、圧力による確認は失敗とみなします。管理: 価格の新高値とA/Dの低い高値が繰り返せば、買い増しを止めます。


価格とA/Dが同時に突破を確認
価格とA/Dが同時に突破を確認価格がレンジ上限を超え、A/Dも高値を切り上げれば、圧力の裏付けが増します。

順番も大切です。A/Dが先に高値を上げ、後から価格が突破すれば、良い先行シグナルになります。価格が先に突破してA/Dが続かなければ確認は弱くなります。同じ3〜5本の間に両方が高値を上げる形が最も明確です。


OBV、CMF、Chaikinとは役割を分けます


A/D LineはOBVと似ていても問いが違います。OBVは終値が前日より上か下かで出来高の全量を足し引きします。A/Dはその日の足の中でどこに引けたかを見ます。ギャップアップ後に日中下がり続け、安値近くで引けた足では二つの指標が違う反応を示し得ます。


CMFは一定期間の資金フロー圧力を範囲のある値で示します。A/Dは累積線なので長い流れやダイバージェンスに向きます。Chaikin OscillatorはA/Dの変化速度を見ます。A/Dが上昇中でもChaikinが鈍れば、圧力の加速は弱まっているかもしれません。


使う順番は単純です。A/Dで累積方向を見て、CMFで最近の圧力がプラスかを確認し、Chaikinで突破後に速度が付くかを見ます。三つを同じ売買ボタンにすれば情報が重複しますが、役割を分ければ判断は明確です。


出来高データが弱ければA/D Lineも弱くなります


A/Dは出来高に依存します。株式のように取引所の出来高に比較的明確な基準がある市場では読みやすい一方、取引所に出来高が分散する暗号資産では一つの取引所だけで市場全体の圧力を代表しにくくなります。


特定取引所のイベント、新規上場の直後、大規模清算、出来高集計の誤りがある局面では、A/Dが誇張され得ます。その際は絶対値より高値・安値の構造と価格との不一致を見ます。数字の高さより、以前の高値を超えたか、価格の突破を確認したかが重要です。


ギャップの多い資産にも注意します。ギャップアップ後に低く引けた足は分配に、ギャップダウン後に高く引けた足は買い集めに見える場合があります。一日の足だけでなく、前日の終値、ギャップの大きさ、次の足の終値位置も確かめます。


A/D Lineは売買した主体を示しません


A/Dは誰が買い、誰が売ったかを教えません。終値位置と出来高から圧力の痕跡を推定するだけです。この線一つで大口投資家の買い集めを断定するのは危険です。


それでも価格だけでは見えない疲れを先に示すことがあります。価格が新高値でA/Dが低い高値なら追いかけを減らします。レンジ上限を価格が突破しA/Dも高値を上げれば、突破への信頼が増します。下落トレンドでA/Dが上昇しても、価格が直近高値を回復するまでは反発候補にとどめます。


各足が出来高を伴ってどこで引け、その痕跡が価格構造と同じ方向に積み重なるかを問いましょう。そうすればA/Dは曖昧な「大口」の指標ではなく、価格突破を確認する道具になります。


応用:A/Dはギャップより足の中の終値位置に敏感です


OBVとA/Dによるギャップ解釈の違い
OBVとA/Dによるギャップ解釈の違いA/Dは前日から上がったかより、足の中の終値位置を細かく反映します。

OBVと比べると違いが明らかです。OBVは今日の終値が前日より高ければ出来高を足し、低ければ引きます。A/Dは今日の終値がその日の高値と安値の間のどこにあるかを重視します。同じ上昇日でも違う方向に動くことがあります。


例えばギャップアップで始まったものの、日中ずっと売られ、安値近くで引けた足を考えます。終値が前日より高ければOBVは買い側の出来高に数えるかもしれません。A/Dは今日の足の下側で引けたため、分配圧力として捉え得ます。ギャップより日中の終値位置を強く反映するのです。


ブレイクアウトの検証でも重要です。価格がギャップで抵抗を超えても、足の下側で引け、A/Dが高値を更新できなければ、突破の質は弱いものです。逆に大きなギャップがなくても徐々に上昇し、各足が上側で引け、A/Dも高値を上げれば、累積した圧力は健全かもしれません。


OBVとA/Dが食い違うときは、足の形に理由を探します。OBVが強くA/Dが弱ければ、日中の売りが多かった可能性があります。A/Dが強くOBVが横ばいなら、終値間の変化は小さくても各足の引け方が改善したのでしょう。この違いを知れば、出来高指標同士が対立しても解釈がぶれにくくなります。

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