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リスク管理
リスク管理シリーズ全11編から、必要な回を選んで始められます。
このシリーズが扱う範囲
一回の取引で失う金額を先に決め、レバレッジが清算価格までの距離をどれだけ縮めるかを計算し、連敗とドローダウンに耐えられる大きさかを確認します。
最初に読む記事
後の記事は前の記事で定義した用語をそのまま使います。順に読むと途中で詰まる箇所が減ります。
学習の順序
1. まず期待値
勝率だけでは損益がわからない理由を先に整理します。
- 期待値 — 勝率が高くても損をする理由 勝率は期待値を決める変数のひとつにすぎません。損益比と組み合わせた期待値でシステムを評価し、サンプル数とトレード回数もあわせて確認します。
2. 1R — ポジションサイズと損切り位置
一回に賭ける金額と損切りの位置を一緒に決めます。
- ポジションサイジング — 1回の取引でいくらリスクを取るか 口座を守れるかどうかを左右するのは、1回で失う金額です。数量は損切り幅から逆算し、相関の高いポジションはまとめて1つのベットとして扱います。
- 損切り位置 — ボラティリティが決める水準 損切りは、エントリー根拠が崩れる価格です。固定%ではなく、チャート構造とATRから損切り幅を逆算し、1Rを定義します。
3. レバレッジ・清算価格・証拠金モード
倍率が清算価格までの距離をどれだけ縮めるかを計算します。
- レバレッジとポジションサイズ — 倍率は清算価格までの距離を、1Rは損切り幅と数量が決めます レバレッジは証拠金の効率を決め、ひとつの取引の実際のリスクは損切り幅と数量が決めます。同じ1Rを保てば倍率は清算価格までの距離だけを変え、高倍率の本当の危険は、清算価格が損切りよりもエントリーに近づく瞬間にあります。
- 清算価格の計算 — レバレッジは清算価格までの距離を決める レバレッジは清算価格までの距離を決めます。損切りラインが清算価格より遠くにあると、損切りは実行されず清算が先に来ます。エントリー前に、清算価格が現在値から何%離れているかをまず計算する方法を扱います。
- Cross Margin と Isolated Margin — 一つのポジションの清算が口座全体を空にする分岐点 Cross Margin は清算を遅らせる代わりに、一度の出来事で口座全体が消える経路を開きます。損失が口座のどこまで届くかを基準に、二つのモードを選び分ける方法を扱います。
4. 連敗とドローダウンの限界
破産確率、最大ドローダウン、回復の計算、ケリーと相関を見ます。
- 破産確率 — 口座が生き残れるかを決めるのはサイジングです 同じ勝率と損益比でも、1回あたりのリスク比率を大きくすると破産確率は非線形に跳ね上がります。期待値がプラスでも、サイジングが大きければ一度の連敗で回復不能なドローダウンまで落ち込みます。
- 最大ドローダウン — 戦略を運用し続けられるかを決める限界線 最大ドローダウンは、過去の損失を記録しただけの数字ではありません。その戦略を運用できるかどうかを決める、資金面と心理面の限界線です。回復は非対称であり、実運用のドローダウンはたいていバックテストより深くなります。
- ドローダウン回復の算数 — 50%失うと元本まで100%必要になる非対称性 損失率と回復率は対称ではありません。ドローダウンが深くなるほど、元本回復に必要なリターンは加速度的に大きくなります。複利では、深いドローダウンを防ぐ管理こそが最優先のレバレッジになります。
- ケリー基準 — 損失リスクと投資額を分けて考える理由 ケリー比率25%は、二値モデルで負けたときに失う資産の割合です。投資額とは区別し、予定損失の予算とエントリーから損切りまでの距離でポジションを計算します。ハーフケリーの効果と限界も確認します。
- 相関とエクスポージャー — 銘柄数を増やしても分散にならない理由 アルトを5銘柄ロングで持つのは、BTCの方向に5回ベットしているのと同じです。合算エクスポージャーを資産クラスと方向で見る見方を解説します。