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ピラミッディング — 追加エントリーの前に、ポジション全体のリスクを計算し直します
利益中のポジションに追加エントリーすると、利益も押し戻しの損失も大きくなります。同じ数量を1回追加した結果と、リスク予算に合わせて数量を制限する計算を区別します。
追加エントリーは、より高い価格で新しいポジションを持つことです。既存の取引が利益中でも、追加後に損切りされたら全体でいくら失うかを計算し直す必要があります。
2023年1月9日にBTCを17,128ドルで買った取引は、3×ATRのトレーリングで+8.35Rで終わりました。上昇の途中で同じ数量をもう一度買っていたら、全体の損益は+15.32Rです。ピラミッディングが長いトレンドの利益を大きくした事例です。
2026年1月5日の取引は逆でした。追加なしなら−0.09Rで終わる取引が、追加後の押し戻しに遭って−1.30Rになりました。追加エントリーは、既存の取引の評価益だけを見て決められません。
今回の計算は、3×ATRのトレーリングで保有し、終値が最初のエントリー価格の+1R以上であれば、次の足の始値に最初の数量と同じ数量を1回だけ追加します。二つの数量は同じトレーリング損切りを使い、すべての損益は最初のエントリーの1R金額で表します。数量を増やした結果なので、同じ資金・同じリスクを使った成績の比較ではありません。

追加分だけの損益も別に見ます
全61件のうち、実際に追加が起きた取引は25件です。終値が+1Rに届く必要があるため、日中の高値だけが一瞬+1Rを超えた取引とは区別されます。残りの36件は追加なしで終わりました。
同じ数量を追加したとき、1取引あたりの平均損益は+0.61Rから+1.04Rに増えました。しかし追加が起きた25件のうち10件は、追加エントリー価格より低い価格で決済されました。既存の数量が利益だったという事実が、追加分の利益を保証するわけではありませんでした。
2024年11月7日の取引で、最初の数量は+4.10R、11月12日に追加した数量は+1.54Rでした。追加分はより高い価格でエントリーしたため、同じ決済価格で得た利益がより小さくなりました。追加の効果を判断するときは、取引全体だけでなく、追加分の勝率と平均損益も確認します。
最初のエントリーで決めた1Rが、追加後も守られるわけではありません
2026年1月5日の取引の最初のエントリー価格は91,530ドル、1Rの距離は約4,866ドルでした。1月15日に96,952ドルで追加したとき、共通の損切りは90,141ドルでした。
その損切りで約定すると仮定すると、最初の数量の損失は0.29R、同じ数量で追加した数量の損失は1.40Rです。丸める前の値を合計した全体の損切りリスクは1.68Rです。追加前よりも、ポジション全体が負担する損失金額が大きくなりました。
実際の決済前にトレーリング損切りがもう少し上がり、二つの数量は1月20日に91,079ドルで決済されました。最終損益は−1.30Rです。追加直後に計算したリスクと最終損失は同じ数字ではありません。リスクはその時点の損切りを基準にした予想損益であり、その後の損切りの移動やギャップによって実際の結果は変わります。

追加が起きた25件で、このリスクの中央値は1.45R、最大は2.03Rでした。平均損益が増えた結果を評価するときは、このリスクの増加も併せて見る必要があります。
数量を制限する計算と、検証した成績を区別します
リスク予算を1Rに保つには、最初の数量を追加のたびにそのままコピーしてはいけません。既存のポジション全体が現在の損切りで失う金額をaR、最初の数量と同じだけ新しく追加したときの損失をbRとすると、追加できる数量の上限は最初の数量の(1−a)/b倍です。bが正で、残りのリスク予算があるときに使う計算です。
先の取引ではaが約0.29、bが約1.40なので、追加数量の上限は最初の数量の約0.51倍です。同じ数量を追加するより小さくなります。実際の注文では、丸めた比率ではなく正確な価格・数量で計算し、取引所の数量単位に合わせて切り捨てないと予算を超えます。
損切りが最初のエントリー価格より上にあるときは、既存の数量のaが負になることがあります。このときは、損切りでの予想利益を追加のリスクと相殺するため、式の上では追加数量が最初の数量より大きくなることもあります。この計算だけで、追加数量が常に小さくなるとは言えません。必要なら、総数量や名目金額にも別に上限を置きます。
これは数量を制限する方法の例であり、先に示した+1.04Rの成績は、同じ数量を1回追加した結果です。この制限を入れた戦略の平均損益は、別に計算する必要があります。また、損切り価格での約定を仮定した予算なので、ギャップやスリッページまで含めた最大損失を保証するものではありません。
追加条件を変えるなら、別の戦略として確認します
終値が+1Rを超えることの代わりに、新しい20日高値のブレイクや、押しの後の再ブレイクを追加条件として検討できます。ただし条件を変えると、エントリーの時点と価格が併せて変わります。遅れた高値買いを減らせることもあれば、より高い価格でエントリーしたり、良い上昇を逃したりすることもあります。
したがって、「新しいブレイクで追加するほうが良い」という結論を、この計算から導くことはできません。追加条件、追加数量、回数を1つずつ変えた後、同じ期間で比較する必要があります。今回のサンプルが示したのは、同じ数量を1回追加した場合の効果です。
追加の直前に確認するのはポジション全体です
- 既存のリスク: 現在の損切りでの既存の数量全体の損益が、最初の1R金額でいくらかを計算します。
- 追加のリスク: 予想される追加価格と共通の損切りとの間の損失金額を求めます。
- 総数量: 追加後のリスク合計と名目金額が、決めた上限の範囲内かを確認します。
- 約定の時点: 今回の比較は、終値で条件を判断し、次の始値で1回追加します。次の始値が既存の損切りより下なら、先に決済して追加しません。
- 追加分の記録: 最初の数量と追加した数量の損益を分けて残します。複数回追加する変形では、以前の追加分も既存のリスクに含めます。
追加エントリー前の評価益は、追加後のリスクの代わりにはなりません。ポジションサイジングで最初の数量を決めたときと同じように、増えたポジション全体が現在の損切りでどんな結果で終わるかを計算し直します。