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インジケーター
インジケーターシリーズ全28編から、必要な回を選んで始められます。
このシリーズが扱う範囲
指標は価格を要約する計算式です。移動平均で基準を置き、ボラティリティで幅を測り、オシレーターで位置を読み、トレンド強度で継続を判断し、出来高と合意価格帯で確認します。
最初に読む記事
後の記事は前の記事で定義した用語をそのまま使います。順に読むと途中で詰まる箇所が減ります。
学習の順序
1. 移動平均と基準価格
SMA、EMA、VWAP がそれぞれどの基準線を作るかを見ます。
- SMA — 単純移動平均 200日線を単なるトレンド判定ラインとして見るのではなく、価格がその線をどう通過したかでトレンドの強さを判断します。
- EMA — 指数移動平均 EMAの並びにおける角度変化から、ゴールデンクロスに先行してトレンド転換の可能性を捉えます。
- VWAP — 出来高加重平均価格 市場参加者の多くにとっての損益分岐点を動的なラインとして描き、価格がその上・下のどちらに長くとどまるかで、その日の流れを定義します。
- アンカードVWAP — 特定の投資家層の平均取得単価がつくる損益分岐線 アンカードVWAPは、意味のあるイベント以降に参入した参加者全体の平均取得単価です。そのラインがサポートやレジスタンスになるのは、そこが誰かにとっての建値だからです。
2. ボラティリティとチャネル
ボリンジャー、ATR、ケルトナー、ドンチャンが幅を決める方法を比較します。
- ボリンジャーバンド — ボラティリティ・チャネル バンド外で引ける頻度とバンド幅のパーセンタイルから、現在のボラティリティ水準を判断します。バンドへのタッチだけでは不十分です。
- ATR — 真の値幅の平均 ATRが30日平均の2倍以上になったら、ポジションサイズそのものを落として損失Rを一定に保ちます。
- ケルトナーチャネル — ATRで幅を決めるトレンドチャネル ボリンジャーは標準偏差で、ケルトナーはATRで幅を決めます。この違いが、チャネルの揺れ方とトレンドフォローへの適性を分けます。
- ドンチャン・チャネル — チャネル幅はボラティリティを、ブレイクアウトはトレンドを示す N期間の高値・安値で作るシンプルなボックスこそ、トレンドフォロー・システムの中核です。チャネル幅はボラティリティを、チャネルのブレイクアウトはトレンド開始を示します。
3. オシレーターと終値の位置
RSI 系が何を測るのか、トレンド相場で貼り付く条件は何かを確認します。
- RSIの見方:70・30の意味、設定とダイバージェンス RSIの70・30・50と7/14/21本の設定を区別し、トレンド・押し目・ダイバージェンスを確定足と別期間で検証します。
- ストキャスティクス — 終値の位置を見るオシレーター レンジ相場でこそ信頼しやすいことを前提に、%K/%Dのクロス位置(上限・中央・下限)からまず相場環境を分類します。
- Stochastic RSI — RSIにストキャスティクスを適用する RSIの値をストキャスティクスで正規化したツール。反応が速すぎるため、短期スイングのタイミング取りに限定して使います。
- ウィリアムズ%R — 終値の位置を示す指標がトレンド相場で張り付く理由 ウィリアムズ%Rは、終値が直近の高値・安値レンジのどこにあるかを素早く示すだけの指標です。-20/-80のしきい値が意味を持つのは、レンジ相場に限られます。
- CCI — 商品チャネル指数 ±100という標準的な基準値が荒れ相場では機能しにくいことを理解し、±200以上の極値だけを信頼します。
4. トレンド強度とトレーリングストップ
MACD と ADX で強度を測り、トレーリングストップで保有区間を決めます。
- MACDの見方:MACD線・シグナル線・ヒストグラムと設定 MACD線・シグナル線・ヒストグラムと平均種類・計算時間足を区別し、クロス・ゼロ線・縮小を価格条件と検証します。
- ADX / DMI — トレンドの強さを測る エントリーフィルターとして扱う。ADXが20未満なら、ほかのトレンド指標のシグナルはすべて見送ります。
- Aroon Oscillator — 時間で測るトレンドの強さ トレンドの「年齢」を見る — 高値更新・安値更新がどれだけ直近だったかで、トレンドの疲労度を評価します。
- Parabolic SAR — 加速型トレーリングストップ エントリートリガーではなく、すでに保有しているポジションのトレーリングストップとして使います。
- Supertrend — ATRトレーリングストップの色転換 損切り幅を自動で決め、一貫したRRを作るためのツールです。
- Chandelier Exit — ATRトレーリングストップ 利確タイミングの判断を減らし、トレンド中の一時的な揺れで手仕舞わないための手法です。
5. 出来高・合意価格帯・適応型平均
価格以外の確認軸を加え、設定値を変えた派生指標を比較します。
- OBV — 買い集め・分配を読む累積指標 レンジ内のOBVが右肩上がりか右肩下がりかを見て、次のブレイク方向を価格より先に読み取ります。
- マネーフロー指数 MFI — 価格についてこない出来高 MFIはモメンタムに出来高を掛け合わせ、資金の重みを測ります。価格が上昇しているのにMFIが追随しない局面では、RSIより先に資金流出を示します。
- チャイキン・マネーフロー(CMF) — ローソク足のどこで引けたかが資金の流れを示す CMFは、終値の方向だけを見るOBVとは異なり、終値がローソク足の高値・安値レンジのどこで引けたかを出来高に掛け合わせ、買い集めと分配を見分けます。
- ピボットポイント — 多くの参加者が同時に見る日中の合意価格帯 ピボットポイントは前日の高値・安値・終値から算出され、多くの参加者が同時に見る合意ラインです。重要なのはレベルそのものではなく、その価格帯を抜けるのか、押し返されるのかという反応です。
- 一目均衡表 — 5本の線と雲 5本の線のうち遅行スパンと将来の雲の厚みに注目し、トレンドの始まりと終わりを一歩早く見極めます。
- T3 — 6重平滑移動平均 EMAの遅れを抑えた平滑曲線。トレンドの曲率を読むためのツールとして使います。
- VIDYA — 適応型モメンタム加重平均 ボラティリティに自動適応する移動平均。レンジ相場のダマシをEMAより抑えます。
- JMA — 低遅延の適応型移動平均 最も滑らかなトレンドライン。トレンド進行中は強力だが、転換点の信頼性には限界があることを理解しておく。
- Choppiness Index(横ばい指数) — トレンド指標が空転する区間を前もって知らせる相場フィルター Choppiness Index(横ばい指数)は、いまの相場がトレンドシグナルを信じてよい状態かどうかを先に教えてくれます。方向は見ません。値が高い横ばい区間ではトレンド戦略を止め、平均回帰戦略へ切り替える基準として使うときに最もよくはまります。