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複合修正とX波 — ABCが一つ終わっても修正は続くことがある
ABCの後の反対方向の動きをすぐ新しいトレンドと見ず、2020年のX波の条件(時間・モノウェーブ数・161.8%)と次の修正の構造で判断します。

ABCが一つ終わったからといって修正全体が終わったとは見ず、X波の条件と次の修正の構造を確認します。
第11回では、トライアングルのブレイク目標を決める前に、トライアングルの位置をまず確認しました。今回は、一つの修正では終わらない修正、つまり複合修正(Complex Correction)を扱います。最初の修正をW、その後の連結波をX波(X-wave)、次の修正をYと呼び、修正が三つならW-X-Y-X-Zと数えます。
ABCが終わった後の反対方向の動きを、すぐ新しいトレンドの1波と数える方法があります。その反発がX波なら、次の修正Yが始まったときにカウントを最初から数え直さなければなりません。逆に、横ばいが長引くだけで何でもW-X-Yと呼ぶ癖もあります。X波に条件がなければ、このラベルはどんなチャートにも付けられます。
ニーリーは2020年の公式Q&Aで、X波の時間・モノウェーブ数・価格に上限を設けました。この記事では、BTCとETHの区間でWとXの候補を測り、三つの上限と本のX波候補の条件を確認します。

X波は二つの修正をつなぐもう一つの修正です
WとYの間にあるという理由だけではXにはなりません。X波は二つの標準的な修正を切り離す連結波で、常に修正の構造です。Xの位置に来られる形は、ジグザグ、延長型を除くフラット、収束の非制限トライアングル、修正のモノウェーブ一つ、そしてパワーレーティング表(第16回)にある一部の非標準パターンです。
X波を見つける手がかりは二つです。
- 小さいX:圧縮された二つの修正の間に割り込んだ修正が、最初の修正を61.8%未満しか戻しません。このときXは通常、両隣の修正より複雑さが一段階低いです。
- 大きいX:三つの修正が続き、二つ目が一つ目を161.8%以上戻せば、二つ目がXである可能性が非常に高いです。
次の修正が前の修正を61.8%未満でも161.8%以上でも戻さなければ、そのまとまりは複合修正と見ず、標準型として分析し直します。本には小さいXの境界を61.8%「未満」と書いた文と「以下」と書いた文の両方があります。この記事では、よく引用され、小さいXをより狭く取る「61.8%未満」に統一します。大きいXの手がかりは、後で見る2020年の基準と衝突します。
WとYも、それぞれ第9回〜第11回のフラット・ジグザグ・トライアングルの条件のどれかを満たさなければなりません。圧縮していないモノウェーブだけでは複合修正は作れません。構造記号:3は修正波、:5は推進波を意味します(第4回)。Wを第5回の方法で:3に圧縮した後にXを探します。
名前はW・Yがどんな修正かで決まります
小さいXを使う複合修正は、WとYの構造で名前が付きます。
- ダブルジグザグ:5-3-5、X、5-3-5。トリプルジグザグはこれにXと5-3-5がもう一つ付きます。
- ダブルフラット:3-3-5、X、3-3-5。
- コンビネーション(Combination):ジグザグ・フラット・トライアングルが混ざった形です。ジグザグの後のフラット、ジグザグの後のトライアングル、フラットの後のトライアングルがダブルコンビネーションで、トリプルコンビネーションはジグザグ・ジグザグ・トライアングル、ジグザグ・フラット・トライアングル、フラット・フラット・トライアングルです。
このリストでトライアングルは常に最後の位置にあり、収束トライアングルしか来られません。拡散トライアングルが入ったコンビネーションや、WまたはYの位置にトライアングルが来てその後にさらに修正が続くコンビネーションはリストにありません。Xは前の修正と違う形になる傾向もあります。最初の修正がジグザグならXはモノウェーブ・フラット・トライアングル、フラットならモノウェーブ・ジグザグであることが多いです。これは傾向で、判定ルールではありません。
Xの値幅が前の修正より大きければ、大きいXの複合修正です。大きいXを使う形は、ダブルスリー(フラット-X-フラット)、フラット-X-トライアングルのコンビネーション、そしてそれらのトリプル型で、トリプルスリーは非常にまれです。
2020年の改訂以降、X波には三つの上限があります
2020年の公式Q&Aで、ニーリーは本を30年前に書いたと明かし、以下のルールについて"override anything written in my book"と書きました。本と衝突すればこのルールに従うという意味です。比較対象は直前の修正です。
- 時間:Xにかかった時間は、前の修正にかかった時間以下でなければなりません。Xの値幅が前の修正より大きくても小さくても同じです。
- モノウェーブ数:Xのモノウェーブ数は、前の修正のモノウェーブ数以下でなければなりません。
- 価格:Xの値幅は、前の修正の値幅の161.8%以下でなければなりません。
三つの条件をどれも超えなければよく、同じ値を禁じる文はありません。一つでも破ればXの解釈を捨て、別のカウントを探します。本の大きいXの手がかり(161.8%以上)と2020年の基準は、ちょうど161.8%でだけ重なります。ただし前の修正より価格が大きいXはすべて大きいXなので、前の修正の100%を超え161.8%以下のXは、2020年以降も大きいXの候補として残ります。
五つの候補を二つの基準で測ると次のとおりです。値はX対前の修正、時間は日足の波動チャートの点の間隔です。
| 候補 | 価格 | 時間 | モノウェーブ | 2020年の上限 | 本のXの条件 |
|---|---|---|---|---|---|
| BTC 2024年 一つ目のX | 89.7% | 73マス / 97マス | 51個 / 69個 | 合格 | 不合格 |
| BTC 2024年 二つ目のX | 89.6% | 47マス / 57マス | 35個 / 43個 | 合格 | 不合格 |
| ETH 2026年6月 | 35.8% | 18マス / 100マス | 15個 / 79個 | 合格 | 小さいX |
| BTC 2025〜2026年 | 38.0% | 108マス / 92マス | 81個 / 69個 | 時間・モノウェーブで不合格 | 小さいX |
| BTC 2026年3〜5月 | 162.3% | 76マス / 25マス | 57個 / 19個 | 三条件すべて不合格 | 大きいX |
2024年のBTCの区間では、2020年の基準と本の手がかりが違う答えを出します。3月14日の73,777ドルから5月1日の56,553ドルまで下げた区間をW、6月7日の71,997ドルまでの反発を一つ目のXとします。7月5日までをY、7月29日の70,080ドルまでの反発を二つ目のXとします。二つのXは三つの上限の内側に収まりますが、前の修正を61.8%未満しか戻さなかったわけでもなく、前の修正より大きいわけでもありません。そのため、このまとまりは標準型として見直します。2020年の基準は上限を決めただけなので、三つの上限に収まっただけではX波の根拠になりません。同じ区間を第9回はフラット、第11回は一部を拡散トライアングル候補として測りました。
二つの基準をどちらも満たした候補が、図1のETHです。2026年4月17日の2,464.91ドルから6月6日の1,505.68ドルまで下げた区間をW、6月15日の1,849.54ドルまで上げた反発をXとします。

BTC 2025〜2026年の候補は、時間とモノウェーブ数で不合格になります。2025年10月6日の126,200ドルから11月21日の80,600ドルまでをW、2026年1月14日の97,924ドルまでの反発をXとします。実際の時間で測っても、XはWの118.8%です。
- より早く終えたX:12月9日の94,589ドルで終えれば36マス、モノウェーブ27個で条件を満たします。しかしその後価格が97,924ドルまで上がったので、この点をXの終点にはできません。
BTC 2026年3〜5月の候補は、価格の上限をわずかに超えます。
- W:3月17日 76,000ドル → 3月29日 65,000ドル
- Xの価格上限:82,798ドル
- Xの高値:5月6日の82,850ドルで、上限より52ドル高いです。
時間もWより長いので、このXの解釈は成り立ちません。反発が長くゆっくりなら、その反発をXと呼ぶ前に前の修正の時間から測らなければなりません。
トライアングルで終わるコンビネーションとランニング複合修正は極値で終わりません
ニーリーは、大きなエリオットパターンのほとんどはチャートの最高値や最安値で終わらないと見ています。その理由はモメンタムが弱まる四つの形です。未達型の5波、C波未達のフラット、収束の非制限トライアングルで終わる複合パターン、ターミナルです。下落のコンビネーションがトライアングルで終われば、修正の終点はトライアングルのe波の終点で、その点は区間の最安値より高いことがあります。新しい上昇もe波の終点から数えます。
トライアングルで終わるトリプルコンビネーションは、4波の制限トライアングルと取り違えやすいです。4波トライアングルと見れば一回の5波上昇を待ちますが、実際には修正全体が終わる位置かもしれません。重要な安値の後に長い横ばいが続けば、その横ばいが修正を終わらせる非制限トライアングルである可能性もあります。
ニーリーが挙げたランニング複合修正の図では、上昇の後にフラットが現れ、Xがフラットの始点より高く上がった後、トライアングルで終わります。修正全体が始点より高い位置で終わり、その後に強い推進波が続きます。ダブルスリーとトリプルコンビネーションは一段階上のトレンド方向に傾く傾向があり、トリプルコンビネーションが完全に水平に作られることは事実上ありません。ランニングでも、2020年の基準の価格上限161.8%はそのまま適用します。
Y・Zが進行中なら結論を保留します
Yが終わったように見えても、W-X-Yが確定したわけではありません。図1のETHは、6月26日の1,512.00ドルでYが終わったと数えられます。YはWの終点より6.32ドル上で止まり、その後9月21日の2,807.34ドルまで上がりました。それでもY内部のA・B・Cが修正のルールを満たしているかは別に確認する必要があり、次の反発がY比でXの条件内にあれば、Zが残っている可能性も残しておきます。
同じWの区間を第10回では、より大きな未達型ジグザグ候補のC波と数えました。C波なら:5、Wなら:3でなければならないので、内部構造を確認するまでは二つのカウントを両方維持します。
進行中の区間では、上限を先に計算しておきます。数字は2026年10月21日の確定足基準です。BTCの9月21日以降の下落を:3に圧縮されるWとすると、Wの終点をどこに置くかで上限が変わります。
- Wの終点を10月15日の79,800ドルとする場合:Wは9月21日の87,396ドルから点の間隔47マスで、反発は10月21日の84,898ドルまで13マスの間上昇しました。この反発がXなら、47マス以内、つまり11月7日の足の二つ目の点までに終わり、92,090ドルを超えず、日足の波動チャートのモノウェーブが31個以下でなければなりません。実際の時間で測ると11月8日UTC午前6時で、一日ほど遅くなります。
- Wの終点を10月8日の80,394ドルとする場合:Xは10月12日の84,352ドルですでに終わり、10月15日の79,800ドルがWの終点を下回りました。今回の反発はその後の別の波として数えなければなりません。
一つ目の場合、反発は本の条件で見るとすでにWの67.1%なので、小さいX(61.8%未満)から外れました。大きいXの候補になるにはWの始点87,396ドルを超えなければならず、2020年の価格上限が92,090ドルなので、Xと見なせる終点の価格は87,396〜92,090ドルです。それより下で終われば標準型として見直します。上限の数字の横には、どのWを基準にしたかを書きます。

以下は売買計画の一例です。ニーリーのパターン判定ルールとは別物です。X候補が終わった後の次の修正で売る計画で、数字は図1のETHの値です。
- エントリー条件:X候補が前の修正の61.8%未満(小さいX)で、2020年の上限である価格161.8%以下、時間100%以下、モノウェーブ数以下をすべて守ったまま方向を変えます。ETHのXは35.8%、点の間隔18マス対100マス、モノウェーブ15個対79個でした。
- エントリー:X内部の最後の上昇モノウェーブの始点を割り込んだら売ります。6月15日の1,709.66ドルで、6月18日UTC午後3時の1時間足で割り込みました。
- 損切り:Xの終点1,849.54ドルの上です。エントリー価格から8.18%の距離です。
- 決済:上昇モノウェーブが直前の下落モノウェーブを100%以上戻したら、その下落の始点で決済します。この事例は6月20日の1,719.51ドルで決済され、コスト控除前で0.57%の損失でした。
決済後、Yは6月26日の1,512.00ドルまで下げました。エントリー価格より11.56%低い価格です。この決済ルールは、Y内部の小さな反発でもポジションを閉じます。Wの終点1,505.68ドルを目標価格にしていたら、6.32ドル差で届きませんでした。どちらを使うかはエントリー前に決めます。
X波の判定は同じ単位と直前の修正で正確になります
- 同じチャートで数える:モノウェーブ数と時間は同じチャートで数えます。この記事の値はすべて、日足の波動チャートで1時間足により高値・安値の順序を決めて数えたもので、中立性のルールは適用していません。この記事の事例では時間・モノウェーブ条件の判定がすべて同じで、実際の時間で測っても同じでした。時間が上限に近ければ、モノウェーブ数が判断を変えることがあります。
- 直前の修正と比べる:Q&Aは前のABCとしか書いていないので、この記事ではトリプルスリーの二つ目のXを直前のYと比べました。2024年のBTC候補で、二つ目のXの時間の上限をWの97マスではなくYの57マスにした理由です。Wと比べると上限が広がるので、どの修正を基準にしたかを記録します。
候補条件と2020年の三つの上限を満たしても、言えるのは「その動きをXと見なせる」というところまでです。ニーリーによれば、小さいXの複合修正はしばしば推進波のように見え、推進波か複合修正かはパターンが終わった後の動きで最終判断します。YやZが進行中なら、第8回の事後確認までカウントを二つ以上残しておき、Xの上限を超えた瞬間にその解釈を捨てます。