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パワーレーティング — パターン名を次の動きの大きさの予想に変える
ニーリーは修正パターンごとに-3〜+3の等級を付け、次の波の戻しの上限を定めました。予想と異なる動きをBTC・ETHの実データで測り、カウントを見直します。

パターン名を次の動きの大きさの予想に置き換え、予想と異なる動きが出たらカウントを疑い直します。
第15回では、七本・九本の脚からなるレンジを脚の大きさと時間の対称で判別しました。ここまでは主にパターンを判定するルールを見てきました。この記事では、判定が終わった後、パターン名によって次にどの大きさの動きが来るべきかを説明します。
エリオット波動でチャートを見るときは、パターン名を付けたら分析は終わったと考えがちです。修正が終わった後、戻しが深いほど反対側の力が強く、浅ければトレンドが続くと見ます。グレン・ニーリー(Glenn Neely)は、同じ深さの戻しでも、直前に終わったパターンが何かによって意味が異なると考えました。そこで修正パターンごとに-3から+3までのパワーレーティング(Power Ratings)を付け、等級ごとに次の波が戻せる上限を定めました。
2024年5月、BTCは通常のフラットの候補が終わった後、そのパターンの89.7%を戻しました。通常のフラットの等級0では何の問題もない数字です。同じ位置にダブルフラット(±2)を付けていたなら、80%の上限を超えたのでカウントを見直すべき数字です。この記事では、こうした比較を四つの実際の区間で試します。
パワーレーティングは修正パターンごとに-3から+3まで付けた等級です
等級は収益率や確率ではありません。ニーリーのパワーレーティング表は、トライアングルを除く修正パターン19個に等級を付けます。+は相場の上昇を助ける力、-は上昇を妨げる力です。同じパターンでも、最後の波が上で終わったか下で終わったかで符号が変わります。下は上昇で終わった場合の等級で、下落で終わったら符号をすべて反転します。
| グループ | パターン | 上昇で終わった場合 |
|---|---|---|
| 複合修正 | トリプルジグザグ・トリプルコンビネーション・トリプルフラット | +3 |
| 複合修正 | ダブルジグザグ・ダブルコンビネーション・ダブルフラット | +2 |
| エロンゲーテッド | エロンゲーテッドジグザグ・エロンゲーテッドフラット | +1(トライアングルの中なら0) |
| 中立 | ジグザグ・B波未達型・通常のフラット | 0 |
| 反対方向 | C波未達型・イレギュラー | -1(トライアングルの中なら0) |
| 反対方向 | イレギュラー未達型・ダブルスリー・トリプルスリー | -2(イレギュラー未達型はトライアングルの中なら0) |
| 反対方向 | ランニング・ダブルランニング・トリプルランニング | -3 |
上の八つのパターンは終わった方向と等級の符号が同じで、下の八つのパターンは逆です。下落で終わったランニングが+3なのもこのためです。修正が下で終わっても、ランニングという形は上へ向かう力が強いことを意味します。
等級を使う条件もあります。進行中のパターンをすべて圧縮し、最も大きなパターンに達したときにだけ等級を使います。圧縮とは、完成したパターンを:5や:3の記号一つにまとめる作業です(第5回)。ダブルジグザグがより大きなターミナル推進波の最後の部分なら、ダブルジグザグの等級は無視し、ターミナルが求める動きだけを見ます。日足で目に付いた小さなフラットにすぐ等級を付けることはしません。
終わった方向と符号が同じパターンは、絶対値が大きいほど戻されにくくなります
等級ごとの戻しの上限を反転の目標価格として使ってはいけません。戻し比率の分母は終わった修正パターン全体の価格幅、分子は次に完成する同じ段階の波の価格幅です。
- 0:特定の比率を意味しません。0%から100%を超える戻しまですべてあり得ます。
- ±1:次の波は90%以上戻せません。
- ±2:80%以下しか戻せません。
- ±3:60〜70%程度で、最も少なく戻されます。
ニーリーはこの上限を並べる直前に、上昇で終わった+1〜+3のパターンは次の波にすべて戻されてはならないと書きました。上限のリストには方向の条件が再び出てきません。この記事では前の文に従い、この上限を表の上の八つのパターンのように、終わった方向と符号が同じ場合に限って適用します。
2024年3〜5月のBTCを通常のフラットの候補として置きました。
- A・B・C:3月14日 73,777ドル → 3月20日 60,775ドル → 4月8日 72,798ドル → 5月1日 56,553ドル
- 比率:B/A 92.5%、C/B 135.1%で、第9回の通常のフラットの範囲です。
- パターン全体:17,224ドル、日足48日
- 次の上昇:6月7日の71,997ドルで止まって89.7%を戻し、7月5日の53,486ドルでCの終点の下へ下がりました。
同じ3〜4月の区間を、第15回は七本の脚のダイアメトリックの候補としても測りました。等級0なら、89.7%という深さは判断の根拠になりません。第12回のようにこの上昇をX波と見る解釈も、等級0と矛盾しません。

符号が逆のパターンには次の動きの要件が付きます
表の下のパターンには、上限の代わりに次の動きの要件や置かれる位置の条件が付きます。
- C波未達型:次の同じ段階の波に完全に戻されなければなりません。修正の最後なら、次の推進波は同じ方向の前の推進波より大きくなければなりません。
- イレギュラー未達型:完全に戻されなければならず、次の推進波はたいてい前の推進波の1.618倍です。
- ダブルスリー・トリプルスリー:次の推進波がそれぞれ前の推進波の161.8%以上、261.8%以上でなければなりません。
- ランニング:次の推進波が前の推進波の161.8%以上でなければなりません。
- イレギュラー:B波がA波の始点を超えて見せた力を、C波がB波より長く動いて打ち消す形なので、単独のフラットとしては辻褄が合わず、ターミナル・トライアングルの中でのみ受け入れられます。
前の推進波の段階を先に決めなければ、この倍数は測れません。
2022年1〜2月のBTCのイレギュラー未達型の候補は、完全に戻されなければならないという要件を満たしました。
- A・B・C:1月13日 44,500ドル → 1月24日 32,917ドル → 2月10日 45,821ドル → 2月24日 34,322ドル
- 比率と等級:B/A 111.4%、C/B 89.1%です。下落で終わったイレギュラー未達型なので、等級は+2です。
- パターン全体:10,178ドル、日足42日
- 完全な戻し:Cの終点から5日後の3月1日UTC正午に始点の44,500ドルを超え、その日の高値は44,949ドルでした。パターンが形成された時間の11.9%です。
- その後:3月27日にBの終点45,821ドルを超え、3月28日に48,190ドルとパターンの136.3%まで上がりました。

同じ方向で終わった強いパターンは、次の波がすべて戻せません
ETHの2025年12月〜2026年2月の下落は、エロンゲーテッドフラットの候補です。下落で終わったエロンゲーテッドフラットは-1なので、次の上昇は90%戻しの価格に届いてはいけません。
- A・B・C:12月10日 3,447.44ドル → 12月18日 2,775.19ドル → 1月14日 3,402.89ドル → 2月6日 1,747.80ドル、C/A 246.2%
- 90%の上限:パターン幅1,699.64ドルの90%を戻した3,277.48ドル
- 次の上昇:4月17日の2,464.91ドル、42.2%で止まりました。10月21日の足までの最高値も9月21日の2,807.34ドルで62.3%です。
この候補は、フラット判定の条件二つですでに不合格になっています。第9回では2021年のC波の上限(2,315.19ドル)を超え、C波が日足23本でB波の27本より短いため、時間の条件でも不合格になりました。ニーリーはエロンゲーテッドフラットをより大きなパターンの一本の脚としてのみ認め、第10回は同じ区間をより大きなジグザグのA波の候補として数えました。したがって上の測定は等級の上限を測る練習であり、このパターン一つの等級を確定する測定ではありません。
上限は守りましたが、この候補をそのまま信じはしません。6月4日に価格がCの終点1,747.80ドルの下へ下がり、6月6日に1,505.68ドルを付けました。C波が2月6日に終わっていなかった可能性があるということです。ニーリーはエロンゲーテッドフラットがたいていトライアングルの中で現れると見ているので、より大きなトライアングルの一本の脚なら、このパターンの等級ではなくトライアングルの含意を見るべきです。上限を守った結果はカウントを捨てない理由にすぎず、カウントが正しい証拠としては使いません。

予想と異なる動きをしたら、まずカウントを見直します
予想が外れると、損切りしてそれで終わりにしがちです。ニーリーは、パターンの後の動きがパターンの予告した形に従わなければ、解釈に重要な誤りがあると考えます。ターミナル推進波がその例です。ターミナルは形成時間の50%以内にすべて戻されなければならず、そうでなければその位置にターミナルはなかったと見ます(第7回)。予想と異なる動きが出たら、以下の順序で見直します。
- 圧縮の水準:等級を付けたパターンがより大きなパターンの最後の部分かを確認します。そうなら、大きなパターンの等級に替えて測り直します。
- トライアングル・ターミナル:±1〜±3等級のパターンが、同じ複雑さで0により近い等級のパターンに完全に戻されたら、トライアングルかターミナルが形成中だというサインです。二つのパターンの中では、一つの波の含意が次の波へ引き継がれません。
- パターン名:どちらでもなければ、パターン判定そのものをやり直します。
2025年8〜10月のBTCは、この順序を踏むべき候補です。
- A・B・C:8月14日 124,474ドル → 9月1日 107,255ドル → 10月6日 126,200ドル → 10月10日 102,000ドル
- 比率:B/A 110.0%、C/B 127.7%、C/A 140.5%
- 次の動き:10月27日の116,400ドル、パターンの64.1%で止まりました。Cの終点から25日後の11月4日に102,000ドルの下へ下がり、11月21日に80,600ドルまで行きました。
価格比率だけを見れば、下落で終わったイレギュラーフラット(+1、上への力)です。しかし第9回で見たとおり、C波が日足4本でA波の18本より短く、時間の条件で不合格になるカウントです。上の測定は、その+1をそのまま置いたときに次の動きが等級と合うかを測った結果です。次の上昇は64.1%で止まり、価格がCの終点の下へ下がったので、+1が意味する上への力と合いませんでした。イレギュラーは単独のフラットとしては辻褄が合わないので、この区間はフラットとして見ていたカウントをたたみ、トライアングル・ターミナルの一部か、より大きな下落の一部かを見直します。
トライアングルの後のブレイクの幅も本には変形ごとの倍数がありますが、ニーリーは2007年の公式Q&Aで、B波・4波の位置のトライアングルのブレイクを最も長い脚の約161.8%までに改めました。この部分は第11回に従います。
等級は損切りと目標を一緒に決めてくれます
以下は売買計画の一例です。ニーリーのパターン判定ルールとは別物です。2022年のBTCのイレギュラー未達型の候補(+2)に、「完全に戻されなければならない」という要件を目標として使う方法です。
- 候補の条件:下落で終わったイレギュラー未達型の候補で、B/A 111.4%、C/B 89.1%です。このパターンがより大きなパターンの最後の部分だという根拠はありません。
- エントリー:1時間足の終値がC波の38.2%戻しの38,715ドルを超えたら買います。2月25日UTC午前2時の終値38,800ドルで、Cの終点から0.9日後です。
- 損切り:Cの終点34,322ドルの下です。エントリー価格から11.5%下の価格です。
- 目標:パターンの始点44,500ドルで、エントリー価格から14.7%上です。損益比は1.27倍です。
- 時間の上限:パターンが形成された日足42日のうちに始点に届かなければ、4月7日の引けで手仕舞います。
この候補は3月1日UTC正午の1時間足で目標に届き、それまでの最安値は37,000ドルだったので損切りには届きませんでした。コスト控除前の収益は14.7%です。一つの区間の結果にすぎず、勝率を示す数字ではありません。C波が終わったかはエントリー時点ではわからないので、Cの終点の下へ下がったら等級も一緒に捨てます。
等級は次の波の終点とパターン判定を先に確認してから使います
- 次の波の終点:戻しの上限は、次に完成する同じ段階の波に対するものです。この記事では、Cの終点を再び超えるまでの最大の戻しでその波を代用し、段階と圧縮は判定していません。構造記号と段階は第4回・第5回の方法で別途確認します。
- パターン判定:表の等級は、パターン名が正しいときにだけ意味があります。パターン名は比率・時間・構造と、第8回の事後確認を経て決まります。
パワーレーティング表そのものを改めた公式の改定は確認されないので、等級と上限は1990年の本の基準で使います。パターンを記録するとき、等級とその等級が許す戻しの上限を一緒に書いておけば、次の動きが上限を超えた瞬間に、どのカウントを見直すべきかすぐにわかります。